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1私が日の下で見た悪しきことがある。それは人の上に重くのしかかる。
2神が富と財と誉れを与え、望むもので何一つ欠けることがない人がいる。しかし神は、この人がそれを楽しむことを許さず、見ず知らずの人がそれを楽しむようにされる。これは空しいこと、それは悪しき病だ。
3もし人が百人の子どもを持ち、
多くの年月を生き、
彼の年が多くなっても、
彼が良き物に満足することなく、
墓にも葬られなかったなら、
私は言う。彼よりも死産の子のほうがましだと。
4その子は空しさの中に生まれて来て、
闇の中に去って行き、その名は闇におおわれ、
5日の光も見ず、何も知らない。
しかし、この子のほうが彼よりは安らかだ。
6彼が千年の倍も生きても、
幸せな目にあわなければ。
両者とも同じ所に行くではないか。
7人の労苦はみな、自分の口のためである。
しかし、その食欲は決して満たされない。
8知恵のある者は、
愚かな者より何がまさっているだろう。
人の前でどう生きるかを知っている貧しい人も、
何がまさっているだろうか。
9目が見ることは、
欲望のひとり歩きにまさる。
これもまた空しく、風を追うようなものだ。
10存在するようになったものは、
すでにその名がつけられ、
それが人間であることも知られている。
その人は、自分より力のある者と
言い争うことはできない。
11多く語れば、
それだけ空しさを増す。
それは、人にとって何の益になるだろうか。
12だれが知るだろうか。
影のように過ごす、空しい人生において、
何が人のために良いことなのかを。
だれが人に告げることができるだろうか。
その人の後に、日の下で何が起こるかを。
聖書 新改訳 2017
©2017 新日本聖書刊行会